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感性は万物の真理を捉える

仕事で化粧品会社のマーケティングに触れる機会がある。
その会社は、論理というよりも感性に秀でた人が多く、
社員の方の文化的な造詣や教養に感嘆させられることが多い。

化粧品はが消費者に提供するベネフィットは情緒的な部分も大きく、
そのためいかに消費者の「共感」を得るかがマーケティング上も重要である。

そのためか、議論をしていても、「例えの絶妙さ」に心地よさを感じる。
比喩は相手の理解を得るために一般によく使われるものだが、
状況や心情などのやわらかい要素を、ピクチャーで伝えてくれるため、
言葉で伝えられるよりも圧倒的に大きな情報量を含み、
それゆえ、例えが適確であればあるほど印象に残るし、共感を覚える。
言葉のフーリエ変換と言ってもいい。

例えの絶妙さは、優れた感性の生み出す産物の一例だが、
世の中のクリエイティブな仕事につく人々が色々なものにインスパイアされて
新しいものを生み出すことを考えると、一見異なる複数の事象をある共通点で結び付けてしまう能力は、
感性の本質であるように思う。

広告代理店の担当者が曰く、デザイナが新しいデザインを考える場合でも
全く新しいものがゼロから生まれることは稀で、
ポイントは「どれだけ遠いところから近いものを持ってこれるか」にあるという。
実際、ある時は化粧品会社の廊下で、ある商品のパッケージデザインと似た形の彫刻を発見した。
後から見れば「何だ、こんなところから発想したのか」と思ってしまうが、
自分がデザイナだったらその彫刻を見て化粧品のデザインにしようと思っただろうか。

絶妙な例えを生み出す感性は、右脳的な感受性とパターン認識から成る。
すなわち、「どれだけの引き出しを持っているか」と、「奥に入っていてもすぐに出てくるか」による。
考えてどうなるものでもないが、ちょっとしたコツは引き出しにしまうときにある。

例えを生み出すこと、即ち2つの事象の共通点を見出して結びつけることは、
様々な事象を抽象化できるということ。
どんな事象にも、根底には万物に共通する一種の「真理」があると思っている。
感じたものを引き出しにしまう時には、目はそのものの外形をとらえ、耳はその音を聞きながらも、
心ではそのものの底にある「真理」を少しでも感じていたい。

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